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■ 喫茶店探訪記10 ■ 2003/3/17


■迷子
◆◇◆目次◆◇◆

 ★インタビュー

 ★おすすめ
  メニュー

 ★迷子詳細


 ■迷子
  所狭しと店内に積み上げられた
  古道具たちはみんな持ち主を探し
  ている「迷子」である。
  意外と知られていないここ「迷子」
  のいつからか止まったような時間
  の中で、レコードのSP盤の音に
  耳を傾け、コーヒーを飲んでみて
  はいかがでしょうか。



インタビュー&ストーリー

 銀閣寺へ続く坂の入り口、少し手前の獅子ヶ谷通り
 を南へと下る。観光地とはいえ一歩踏み出すと、
 界隈には京都に根づく独特の静かさが漂う。
 そんな住宅地の一角に白い壁の洋館がポツリと佇み、
 壁に這う蔦や、庭の植物が来客を穏やかに迎える。
 この建物は20年続く喫茶店「GOSPEL(前オテンバ
 キキ)」であるが、その一階にひっそりと時代錯誤
 的な小さな喫茶室があることは余り知られていない。
 それが「迷子」である。

 店内は薄暗く、がらすの窓を通した陽光が穏やかに
 差し込み、年代を経た物達を照らす。手回しの蓄音機
 から流れるバイオリンの音がする。ぽつぽつとつぶ
 やく秒針の音が重なる。

この店は、喫茶店兼、古道具屋兼、古本屋なんです
 と店主の山本氏は仰った。
 その言葉の通り、店内には所狭しと物が積み上げられ
 て居り、ひとつひとつが古く小さくいとおしく思える。
 アクセサリーなど本当に可愛らしい。
 物達の経てきた時間が、この小さな店内に積もっている
 ような感覚に陥った



 

「ここを始めたのは、趣味と実益を兼ねた店をやろう
 と思って。実際伴っていませんが。7年ほど前です
 ね。店内にあるものは、私物として持っていたもの
 も多いです。SP盤ももともと好きだったので」

「「迷子」という名前の由来は、表向きには「この場所
 にある古道具たちは持ち主を探している迷子なんです

 と言っているんですが、本当は「この店自体が目的を
 持たない迷子」なのですよ
」と山本氏は笑う。

 『時間のとまったような』と形容される喫茶店はまま
 あるが、ここ以上に時間軸からはみ出したような存在
 の場所を私は知らない。
 数席のみのカウンターに座り、少ないメニューの中
 から珈琲を頼む。(ここの珈琲には小さなビスケット
 が付く) 珈琲はしっとりと濃く、とても美味しい。

 一時間毎に壁にかかる古時計が大きく鳴る。
 カウンター越しの山本氏との会話も、日常を忘れる
 ひとつの要因であろうと思う。この日伺った都市論
 はとても興味深いものだった。

 せわしない日々の中、この場所で静かに止まったよう
 な時間を過ごしてみてはいかがだろうか。何かを思い
 出すような気持ちになるかもしれない。



 おすすめメニュー
 ◇喫茶 コーヒー         500円

 迷子

  住所 :京都市左京区浄土寺
      上南田町36 GOSPEL1F
  TEL  :075−771−4434
  営業 :昼12時より夜9時まで営業
  定休日:火曜



●取材、撮影協力、資料提供 「迷子」
●取材・制作・編集・写真  平井 昌樹

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