「ここを始めたのは、趣味と実益を兼ねた店をやろう
と思って。実際伴っていませんが。7年ほど前です
ね。店内にあるものは、私物として持っていたもの
も多いです。SP盤ももともと好きだったので」
「「迷子」という名前の由来は、表向きには「この場所
にある古道具たちは持ち主を探している迷子なんです」
と言っているんですが、本当は「この店自体が目的を
持たない迷子」なのですよ」と山本氏は笑う。
『時間のとまったような』と形容される喫茶店はまま
あるが、ここ以上に時間軸からはみ出したような存在
の場所を私は知らない。
数席のみのカウンターに座り、少ないメニューの中
から珈琲を頼む。(ここの珈琲には小さなビスケット
が付く) 珈琲はしっとりと濃く、とても美味しい。
一時間毎に壁にかかる古時計が大きく鳴る。
カウンター越しの山本氏との会話も、日常を忘れる
ひとつの要因であろうと思う。この日伺った都市論
はとても興味深いものだった。
せわしない日々の中、この場所で静かに止まったよう
な時間を過ごしてみてはいかがだろうか。何かを思い
出すような気持ちになるかもしれない。
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